立ち退き料の算定

立ち退き料の算定の考え方

裁判における立ち退き料の算定

立ち退きの裁判において、裁判所が立ち退き料を算定する場合、定型的な方法があるわけではなく、個々の事案により、諸事情を総合考慮の上、立ち退き料が算定されています

傾向としては、主に、(1)借家権価格による算定、(2)移転に伴う損失補償による算定、(3)総合考慮による算定のいずれかの方法が用いられることが多いですが、裁判例によっては、立ち退き料の具体的な算定過程を説明せず、賃貸人からの申出額、又は、申出額に一定額を加算した額を立ち退き料として認定している裁判例もあります。

また、審理の中で立ち退き料の鑑定が行われている場合や、賃貸人や賃借人から鑑定書が提出されている場合には、鑑定結果が基礎にされる傾向にあります。もっとも、事案によっては、賃貸人側の事情・賃借人側の事情を考慮して鑑定結果を修正し、増額・減額されることもあります。

裁判所は、基本的に、当事者双方から主張・立証された事実に基づき判決を言い渡すため、立ち退き料の算定においても、当事者やその代理人が、立ち退き料の算定の根拠となる説得的な資料を提出できるか否かによって、最終的な認定金額に影響が生じることとなります

交渉における立退料の算定

任意交渉の場合、当事者双方が、互いに妥当と判断する立退料の金額等を主張し、双方が譲歩することのできる金額を探ることになります。
この場合も、当事者や代理人が、説得的な算定根拠を提出する必要がありますが、裁判と異なるのは、任意交渉で解決しようとする場合、賃貸人側で早期に解決する利益が生じるため、賃貸人が早期明渡しを求めるほど、金額面での譲歩の余地が生じるという点にあります。

主な立ち退き料の算定方法

借家権価格による算定

借家権とは、「借地借家法が適用される建物の賃借権」を意味しています。
借家権価格により立ち退き料を算定する場合、この借家権の価格を算定し、これを立ち退き料として算出します。
借家権価格の算定方法については、差額方式、賃料差額還元方式、割合方式、控除方式など複数の算出方式があります。
代表的な方法である割合方式による算出では、以下の計算式により、借家権の金額を算出することになります。

借家権価格=(土地価格×借地権割合×借家権割合) + (建物価格×借家権割合)

「借地権割合」とは、建物の敷地の価値に対して、土地の利用者が有する権利の割合であり、都市部では60%~70%とされています。
また、「借家権割合」とは、建物の価値に対して借家人が有する権利の割合であり、主に30%程度と考えられています。

移転に伴う損失補償による算定

移転に伴う損失補償による算定方法は、賃借人が移転を迫られることによって生じる、通常の損失や実費を算定し、その合計額を立ち退き料として算定する方法です。
移転により賃借人に生じる損失は、賃借人が営む業種等により様々ですが、主に、(1)内装・造作等の移設・新設に要する費用、(2)動産の移転に要する費用、(3)移転先の選定・契約に要する費用、(4)休業補償、(5)営業再開後の減収に伴う損失補償、(6)その他移転に伴い生じる雑費の費用などがその内容になると考えられています。

総合考慮による算定

総合考慮による算定の場合、借家権価格による算定を基礎に、移転に伴う損失補償による算定を考慮して、立ち退き料を算定する方法です。
借家権価格に損失補償額を加算する場合や、借家権価格と損失補償額の双方を比較してその近似値を採用する場合などがあります。

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